コラム

2014.07.13

第9回 生きたお金の使い方

東洋マシナリー株式会社 鈴木志郎

春とは名ばかりの3月初め、北鎌倉を起点に古寺を巡る“歩こう会”に始めて参加いたしました。

異業種交流会の気心知れた仲間が集まった気楽な会です。

3番目に訪れたのが円応寺、それはまさにディープインパクトでした。

 目の前に現れた巨大な閻魔大王との遭遇、舌を抜かれるのか?血の釜に入れられるか?と一瞬、自分の生き様の善悪を問いただし、身じろぎしてその場をそそくさと去りました。

それより2週間程前、キャノンの御手洗社長の講演を聞きました。

テーマは「生きたお金を使う経営者だけが、この大不況を乗り切れる」でした。
先見性と経営理論、経営資源の有効活用等を、エピソードを交えてお話になり、大変勉強になった素晴らしい講演でした。
しかし何分にも、スケールが大きく、グレードも高くて私にはどうもピンと来ませんでしたがいったい「生きたお金を使う」とはどういう事なんだろう。
それからずっと頭から離れませんでした。
話を鎌倉に戻します。10人ほどの初老の仲間と北鎌倉の駅で待ち合わせ、鎌倉街道を“いざ鎌倉へ”と歩きだしました。
コース設定は鎌倉のもっとも一般的なコースです。
まずは円覚寺、東慶寺しばらく歩いて、冬のままの静かなたたずまいの明月院、そして今回の一番のハイライト、雪の残る杖突山道を歩いて建長寺の北門から入りました。
今話題である頼朝、義経の鎌倉幕府の栄華を偲ぶ数々の史跡に、しばらくは疲れを忘れました。
歴史をよく勉強している仲間の説明を聞きながら、歴史の中を歩いてきました。
そして前記の円応寺にて閻魔大王との対面、最後に栄華を誇る鶴岡八幡宮に到着しました。
ふと見ると山門の脇に地図を売るおばちゃんがいる、記念にと思い、買う事にした。
「おばちゃん地図いくら?」・・・・「200円だよ」
「はい」 ・・・・・・・「ありがとう」
地図を受け取って、みんなの方に行こうと歩き出した時、おばちゃんが
「お客さん・・・・・・・・・これお賽銭に使ってあげて!」と、50円玉を差し出しました。
“ガーン”こういう事が “生きたお金を使う” という事なのかと。
納得して払った200円、うれしくて感動した50円、全て私の財布の中の出来事なのに!
うれしくて感動した50円は紛れもなく生きたお金の使い方だと思いました。
帰り道、北鎌倉の駅前で同じ地図を150円でおじさんは売っていました。
残雪の北鎌倉古寺巡礼は大変な勉強と思い出になりました。
ある時も ない時も
“いつも にこにこ そわか” 良寛
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