コラム

2015.03.15

第13回 今年の桜に逢う至福

さわやか信用金庫 小泉雄司

今年の冬はとても寒かったと感じたのは私だけでしょうか?年をとると寒さが余計身にしみるのかもしれません。それだけに春が楽しみです。どんなに寒い冬でも必ず春はやってきます。自然の営みは本当に素晴らしいと思います。

 春はいろいろな花が咲きます。私のお気に入りは品川区民公園にあるハナズオウの木です。ハナズオウは、3月末から4月上旬に葉より早く棒の様な枝いっぱいに咲く赤紫色の花で知られる花木です。公園の南口から橋を渡り、左に100メートルくらい歩いて池の端辺りにあります。少し高い、丘の上に咲いているのですぐに分かります。

品川区民公園のハナズオウ

我が家の狭い庭にも春を告げる樹木があります。アーモンドです。家を建て直したとき

に何か実のなる木が良いという子どもたちの希望で植えました。葉のない枝に、桜とよく

似たピンク色の花弁の端に小さな切込みの入った花を一斉に咲かせます。しかもうまく行

けば実も収穫できるのです。

ハナズオウも2 年前に植えてみましたが品川区民公園のような勢いがありません。なに

しろ我が家は陽当りが悪いのです。

そしてハナミズキ、家を設計してくれた建築家がシンボルツリーとして植えてくれ木で

す。春、八重桜の咲く頃、枝いっぱいにかわいらしい花を咲かせます。花びらは正確には

苞(ほう)と呼ばれる葉っぱです。苞は丸みがあり、先端がくぼんでいることが多いのです。

花の本体はその中心に丸く集まった部分です。花色はピンクと紅の中間のような色です。花後には光沢のある楕円形の小さな実を付けて、秋に赤く熟すとヒヨドリがやってきて啄ばんで行きます。晩秋には紅葉して、これも楽しみです。

最後に桜、桜についての想い出は本当に多くあります。年を重ねるに連れ、ますます桜が好きになっていくように思います。

昭和53年春、私は友人と共に千葉県の東金駅に降り立ちました。友人は東金市に住む女性に結婚を申し込みに行くのです。一緒に行ってくれという依頼に面白半分で付いて来ましたが、相手の実家まで同行するのもどうかと思い、近くの公園で待つことにしました。駅から程近い、湖に面した公園の東屋で、予ねて用意のワンカップを取り出し、満開の桜を眺めつつ待つこと1時間。友人は可愛らしい女性を伴い戻ってきました。二人の幸せそうな顔が今でも目に浮かびます。「乾杯だ!」といって掲げたワンカップはもはや空になっていて、桜の花びらがいくつか入り込んでいました。彼はそれから千葉に住み、子供にも恵まれ、幸せな家庭を築いています。

そのほかにも桜への思いは尽きませんが、最後に私の母が亡くなる前に詠んだ句を記します。

「車椅子、今年の桜はなに逢う至福」

皆さん、今年も桜に逢えた幸せに感謝しましょう。

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